グラスゴー大学

スコットランドのグラスゴー大学で9月28日~10月2日に開催された教育プログラムに参加しました。日本ではあまりなじみのないグラスゴーという地名ですが、グラスゴーはスコットランド最大の都市であり、グラスゴー大学はそのグラスゴーの観光地にもなっている歴史のある大学です。私が参加したプログラムはグラスゴー大学のHealth Economics and Health Technology Assessment(HEHTA)が定期的に主催する教育プログラムで、医療経済評価の概念やモデリングのテクニックを5日間かけてじっくりと学ぶものです。私が参加したのはグラスゴー大学で行われたプログラムですが、同様のプログラムがイングランドのヨーク大学でも年に1回開かれているそうです。参加者は医療経済評価に興味のあるアカデミアや、ヘルスケア領域のコンサルタント、医療従事者、医療経済評価を担当する公的機関の人などで、今回は60名程度が参加していました。

プログラムは5日間の日程で行われましたが、医療経済評価の概論や基本的なモデルの構築方法について学ぶ2日間のFoundation course と、実際にモデルに入れるパラメータの設定方法やモデル分析の不確実性の評価方法などを学ぶ3日間のAdvanced course の2つのコースに分かれていました。最初2日間のFoundation courseでは医療経済評価の政策的背景の講義の後、医療経済評価を行う際の基本的な分析モデルである判断樹モデルやマルコフモデルの概念とその構築方法について学び、後3日間のAdvanced courseではFoundation courseで学んだマルコフモデルに組み入れるパラメータの設定方法や、感度分析の実施方法とそのパラメータの設定方法などについて学びました。また、各講義のあとにエクササイズの時間が設定されており、分析モデルの設定条件を受講者同士で議論する時間や、医療経済評価モデルの構築と分析を実際にExcelで行う課題などを行いました。

プログラムは全体的にモデル分析を行う際の注意点やその設定方法など実践的な内容が中心で、分析を実際に行う私としては非常に勉強になりました。

プログラム中は昼食を参加者全員で取れるようになっていたり、Foundation course とAdvanced courseの初日にディナータイムがあったりと参加者同士の交流の時間が多く取られていました。参加者はスコットランドやイングランドの他にも欧州各国から参加しており、各国の医療制度や、参加者の仕事についての情報交換が頻繁に行われていました。日本からの参加者は私一人でしたが、海外の情報に触れることができ、楽しい時間を過ごすことが出来ました。

期間中は医療経済評価のモデリング技術だけでなく、参加者同士の情報交換などを通してたくさんの情報に触れることもでき、充実した時間を過ごすことが出来ました。

グラスゴー大学メインゲート
会場内様子